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第105回兼題
『淑気』・『初鶏』
全投句数: 24 句   選句&選評: 23 票


天
5点句

蛍子、みかりん、風翔、錫樹智、Shinobu選
初鶏や床に転がる馬上杯南骨
★ たっぷりと、いいお酒を飲んだんでしょうね。うらやましい! (蛍子)
★ 長く響く初鶏の声と馬上杯がほどよく似合っている。床に転がるという状況もミステリアスな気分を演出できているように思った。杯は杯でも間違いではないと思うが、盃がより良いかも…。 (みかりん)
★ 決意新たに今年一年も頑張ろう!と、気合の入ったお酒の席があったのだろうと想像できました。 (風翔)
★ 馬上杯の形の面白さ、意外性に一票。漆塗りでしょうか、素朴な陶器でしょうか。初鶏の鳴く夜明けの床の映像がさまざまに浮かびます。 (錫樹智)
★ 葡萄美酒夜光杯で始まる王翰の涼州詞より想を得たものでしょうか。格調を感じました。 (Shinobu)
◆ 馬上杯が床に転がっている?そこんとこがよくわからんかったです〜。馬上杯と初鶏で、豪快な長みたいな人を想像しました。あ、もしかして、初鶏の声に馬上から杯を投げ捨て出発した、ということ?かっこいい〜! (木琴)
◆ 何故だか兵馬俑を連想しました。 (チィープ・インパクト)


2点句

南骨、チィープ・インパクト選
犬小屋のぼろに日差せる淑気かな錫樹智
★ 日常的な穏やかな光景と取り合わせたのが良いみたいですね。犬小屋のぼろは目の付け所がすばらしい。何気ないけど幸せと感じるような切り取り方。 (南骨)
★ この淑気に惹かれます。命の温もり、いじらしさを感じました。 (チィープ・インパクト)
◆ 「ぼろ」というのは、犬小屋が「ボロ」だということでしょうか?それとも犬の名前?ちょっとわかりにくいと思いました。 (牛鈴)
◆ あえて犬小屋の古毛布を持ってきているところが面白いし、新鮮だなと思いました。だけれど、淑気を感じさせるほどの日差しの美しさなり清々しさが今ひとつ見えてこなかったです。12音しかないからなあ・・。うーん難しいなあ。 (木琴)

泥亀、空山選
神域の馬の銅像淑気発つ南美たかし
★ 銅像の場所を特定できないので私の独断と偏見で京都の吟行地「貴船神社」とする。貴船神社は「雨乞い」の社として有名で昔は生馬を献上して祈願していた。時代が進むにつれて板立馬に変わったのが絵馬の原型になったと伝えられ絵馬発祥の地の社として知られています。貴船神社の二匹の馬の銅像はペガサスが天に昇ったであろうことがイメージされ今にも天に昇る勢いがある。そんな想いをさせてくれる作品である。 (泥亀)
★ 黒光りしてなにやら近寄りがたい馬の銅像を思った。 (空山)
◆ 雰囲気は好きですが、「淑気発つ」は「淑気立つ」では? (牛鈴)
◆ 馬の銅像かあ、かっこいいですねえ。神城というのは地名なのでしょうか?淑気が発つ、というのもなんだかかっこよく、銅像から淑気が発せられているなんてシャキーンって感じでいいですね。きっと、神城が分かればもっと鑑賞が深まる句なんだろうな・・。 (木琴)
◆ 「淑気発つ」という言い方はあるのでしょうか?予定調和を出ていないと思いますが、そこが作者の狙いかも。 (チィープ・インパクト)

南美たかし、ネジバナ選
尺八のジャズを吹きをる淑気かな牛鈴
★ 尺八でジャズが旨く吹けるかどうかは別として、尺八で日本の正月!と言う感じがする。 (南美たかし)
★ 尺八とジャズという意外な組み合わせが面白いですね。 (ネジバナ)
◆ 異文化交流に感じる淑気。 (チィープ・インパクト)
◆ こう言われてみれば尺八のジャズとはありそうでなさそうでなさそうでありそうでとても面白いです。ただ、淑気に合うナンバーが思い当たらず・・・。 (錫樹智)

ザッパー、風酔花選
初鶏の草食系を叱咤せりうそ鳥
★ 昔飼っていた鶏はじゃこ天を食べる不思議なヤツでした(笑) (ザッパー)
★ 草食系は案外しなやかで、叱咤されてもこたえないかも。 (風酔花)
◆ 叱咤されても、草しか食えない僕・・。 (チィープ・インパクト)
◆ 今の日本、男子たるもの立ち上がれ!と言うことか。同感です。 (南美たかし)


1点句

ドクトルバンブー選
東(ひんがし)は海豊葦原の淑気ポメロ親父
★ 神々がそこにいそうな陽の出が見えてくるようです。 (ドクトルバンブー)
◆ 神話の世界がいかにも淑気らしいです。 (牛鈴)
◆ 時空を見晴るかすようなスケール感のある句ですね。言葉のすべてにスケール感があって、逆に食い足りない印象でした。わがままでごめんなさい! (木琴)
◆ 神々し。 (チィープ・インパクト)

木琴選
初鷄の薄明若冲の凝視チィープ・インパクト
★ 初鶏の声に目覚めた画家が、ものの形など見えない薄明に五感を集中させ、初鶏の声の見せてくれる世界を感じようとしている様がなんとも伝わってきて、惹かれました。緊張感と初鶏という季語の世界がぴったりなんだと思います。 (木琴)
◆ 対比がすばらしい、ただ季語としての鶏は声に重点をおきたい。 (うそ鳥)
◆ 格調高いですが、初鶏と若中は近いかも? (牛鈴)
◆ 若冲の華やかで力強い鶏が浮かびました。 (錫樹智)

手湖鶴選
初鶏や一両目には男二人まほろ
★ 一番鶏を合図のように初詣なのか、仕事がらみなのか。若者なのか、中年なのか。「一両目には」が面白く、不思議な句で想像たくましくなりました。 (手湖鶴)
◆ 数詞や状態が効いているかどうか・・。説明臭を嗅ぎました。 (チィープ・インパクト)

ドクトルバンブー選
一枚の淑気のなかを陽の頭章友
★ 一枚の薄絹をまとい太陽が昇ってゆく。陽の頭は高天原に住んでいる天照大御神に思えてきました。 (ドクトルバンブー)
◆ 初日の出を一枚の絵に見立てているのでしょう。この句も好きでした。 (牛鈴)
◆ わかりませんでした。もっと情報を! (チィープ・インパクト)
◆ 初日の出を詠まれたのでしょうか。陽の頭がユーモラスです。 (手湖鶴)

龍玉選
淑気充つ背の痛むほど吸い込みてえるも
★ 作者は森か、神社にいるのか。その中の空気を吸い込んでいる。誰もが一度は同じような行為をする中で、背の痛むほどといった誇張が面白い。「充つ」はあえてこの字にしたのだろうか。 (龍玉)
◆ 背の痛むほど反り返って吸い込んだのですね。深呼吸したくなる気持ち、淑気の清々しさを体中に行き渡らせたい気持ちがとても伝わってきました。一点だけ「痛む」というマイナス言葉がちょっと損かな、と思ってしまいました。 (木琴)
◆ 気分はよく伝わってきました。 (チィープ・インパクト)
◆ きりきりと背中が痛むほどに。厳かな気分が伝わります。 (手湖鶴)
◆ 背の痛むほど、が良い緊張感。 (錫樹智)

實能留選
淑気満つ抹茶一服緋毛氈手湖鶴
★ 概ね漢字で中七で小さな「っ」二つの連続が小気味良いと感じます。 (實能留)
◆ これは淑気に似合いそうです。 (牛鈴)
◆ 優雅〜♪ (チィープ・インパクト)
◆ 下五中七が淑気満つと取り合わされることによって、色も物自体も生き生きとしてくる気がします。 (風翔)

うそ鳥選
初鶏に誓いをたてて眠りつくネジバナ
★ 年越しを見届けて床に就く、誓いをたててに元旦であることがうかがえる。 (うそ鳥)
◆ 「眠りつく」という言い方に違和感。散文的。 (チィープ・インパクト)

完風選
初鶏や手水の取っ手きしむ音風酔花
★ 何か森閑とした荘厳な身の引き締まる気持ちにさせられました。 (完風)
◆ 次点でした。初鶏に目覚め、誰かがトイレに行った物音を夢うつつに聞いている。音と音だけど、一年の初めにあたって穏やかで良い感じです。 (南骨)
◆ 忘れ去られつつある昭和の風物に懐かしさを感じました。 (チィープ・インパクト)
◆ 若水でしょうか。静寂のなかに鳴き声ときしむ音が一体となったように感じました。 (手湖鶴)
◆ 水の冷たさに俳味のある音を重ねて元旦の夜明けを体感させてくれました。迷った句なんですが、「手水」はあくまでも水のことなので、手水桶でももってこないと「取っ手」は厳しいかな、と思いました。 (錫樹智)

和楽鼓選
座布団に犬の寝息や淑気満つ風翔
★ ありふれた風景に淑気を感じるのっていいですね。 (和楽鼓)
◆ これは季語が動く感じがします。犬の寝息と淑気を結ぶものを座布団から他のものへ変えると、きっといい感じになるのではないかと勝手にすみません。 (木琴)
◆ 淑気というよりも、飼い主の深い愛情が溢れている一句。 (チィープ・インパクト)

牛鈴選
初鶏のもつとも長き尾を愛でぬみかりん
★ 尾長鶏の長い尾が、初鶏のめでたさによく似合っています。「もつとも」がいいですね。 (牛鈴)
◆ ぴたっと決まった句ですね〜。余韻があるなあ。尾長鶏なのかな。うすっぺたい箪笥みたいな箱で飼われているんですよね。尾といわないで、声ととらせてもいいかもしれませんね、蛇足鑑賞です。 (木琴)
◆ 尾長鶏ですか?龍馬伝♪ (チィープ・インパクト)

自分の選評が載っていないという方がいらっしゃいましたら
早急にお知らせ下さい。

※ まほろ選 ※

匿名で投句を発表した上で選句&選評を募っていますが、私は立場上、どれが誰の句か分かっているということで、選句の票数には数えずに「まほろ選」という形で別にして、選句&選評を紹介させていただきます。
良いと思った句を選んではいますが、あくまでも私自身の好みです(^-^;

※「まほろ選」の句には、互選票数による点数とは別途、
累計点数ランキングの集計時に1点
を差し上げます

尺八のジャズを吹きをる淑気かな 牛鈴
いつも聞き慣れた曲が、楽器の音色が変わるだけで新鮮に聞こえたりするものです。新年のめでたさに和楽器の音色の新鮮な印象が華を添えることでしょう。これもまたひとつの淑気なのだと納得です。
無点句

餅焼けた淑気香る白い月和楽鼓
◆ 中七の字足らずが気になります。 (牛鈴)
◆ 淑気の香る月、がすてきだなあと思いました。餅の焼ける匂いってこと?そうじゃないロマンチック路線がいいなあ〜。 (木琴)
◆ 確信犯のにおい。 (チィープ・インパクト)

不景気や三つ日ばかりの淑気たつShinobu
◆ 「三つ日」がわかりませんでした。不勉強ですみません。 (牛鈴)
◆ 世相の呟き。 (チィープ・インパクト)

丹田を意識の声や淑気満つ蛍子
◆ 「意識の声」がわかりにくいかと。 (牛鈴)
◆ 太極拳かな? (チィープ・インパクト)
◆ お腹に力を入れて朗々とした歌声が聞こえてくるようです。 (手湖鶴)

初鶏の聞こえて初物の苦しザッパー
◆ 雰囲気が出ていて、好きでした。「初」のリフレインもいい感じ。 (牛鈴)
◆ 初鶏の声と、苦味という味覚の取り合わせがいいですね!苦いけど、そこがおいしいんですよねえ。 (木琴)
◆ 「聞こえて」を外して食材の情報を容れ、取り合わせの構図を明確にしたほうが効果的かも。 (チィープ・インパクト)

ひんやりと散歩の路の淑気かな金魚
◆ 「ひんやり」が当たり前すぎるような気がします。 (牛鈴)
◆ 日常に感じるささやかな淑気。 (チィープ・インパクト)
◆ 平明に、誰もが共感できる感覚を詠まれたと思います。 (錫樹智)

永観のみかへり阿弥陀淑気満つ泥亀
◆ これは近すぎるような気がしました。 (牛鈴)
◆ 淑気の王道だろうけど、宝物のオーラに頼りすぎのきらいがある。 (チィープ・インパクト)

明け行く空に初鶏のみごとなり空山
◆ 初鶏の何が見事なのでしょう、また「明け行く」は余分なのでは。 (うそ鳥)
◆ 観念的。情に走って、焦点が絞れてない感じ。 (チィープ・インパクト)

鈴の音に開くエレベーター淑気満つ木琴
◆ 初売りに出かけてきたのでしょうか。「鈴の音」がいいですね。 (牛鈴)
◆ 次点句。好きです、この感覚。現代に息づく淑気。 (チィープ・インパクト)

初鶏や衛士は闇にただ一人龍玉
◆ 印象強い句です。ただ時(元朝)と場所の設定に無理があるのでは。 (うそ鳥)
◆ 海外詠の気配。 (チィープ・インパクト)

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